2024年問題がうちの会社にどう影響したか
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2024年4月、トラックドライバーへの時間外労働の上限規制が施行されました。いわゆる「物流の2024年問題」です。弊社はドライバーを含む全従業員が5名という小さな会社ですが、その影響は小さくありませんでした。今回は、実際に起きたことと、現在進めている取り組みについてお伝えします。
1.5人の会社に、規制はどう効いたか
年間時間外労働の上限が960時間に制限される——数字だけ見ると大きな変化ではないように映るかもしれません。ただ、全員で5名の会社では話が違います。ドライバー1人が担っている役割の比重が大きいため、稼働時間の制限は運行できる距離や本数に直接響いてきます。 これまで対応できていた案件を断らざるを得ない場面が出てきたのも事実です。ドライバーにとっても、残業が減った分だけ手取りが減るという問題が生じました。「法律で決まったこと」とはいえ、現場への影響は避けられませんでした。 こうした状況の中で、ドライバーの収入をできるだけ守りながら法令に対応するために、基本給や手当の見直しを行いました。残業代が減った分を給与体系で補う形で、生活への影響を最小限にとどめることを優先しました。
2.事務まわりの効率化 ── LIFTIの導入
少ない人数で運営している会社にとって、事務作業の負担は見えないコストです。これまで手作業やExcelで行っていた請求書の発行・管理・照合といった作業に、毎月かなりの時間がとられていました。 そこで導入したのが、物流取引管理SaaSの「LIFTI」です。請求関連の業務をデジタルで一元管理できるようになり、月末の処理時間が大幅に短縮されました。ミスや確認漏れが減り、荷主様とのやりとりもデータとして追えるようになっています。 ドライバーが走っている間、事務側も無駄なく動けるようになったことは、小さな会社にとって大きな前進です。全員が限られたリソースの中で動いているからこそ、こうした効率化の積み重ねが直接的な余裕につながります。
3.仲間を増やすための採用活動
稼働時間に上限が設けられた以上、今のドライバー陣だけで対応できる仕事量には限りがあります。採用を強化することは、現場への負担軽減という意味でも急務でした。 5人の会社には、大手にはない近さがあります。一人ひとりの仕事ぶりが見えやすく、声も届きやすい。そのことを求人票でも正直に伝えるよう、記載内容を見直しました。実際の1日の流れや、どんな距離・荷物を扱うことが多いかなど、働くイメージがつきやすい情報を盛り込みました。 未経験者や女性ドライバーへの間口も広げています。中型・準中型免許からスタートできる体制を整えており、免許取得のサポートについても検討を進めています。採用はまだ道半ばですが、一緒に働く仲間が増えることで、現場のドライバー一人ひとりの働き方にも余裕が生まれると考えています。
4.輸送の「見える化」と、これからの運賃のあり方
2024年問題への対応を進める中で、改めて考えさせられたことがあります。ドライバーが安心して長く働き続けられる環境をつくるには、適正な対価が必要だということです。そのためには、「どの仕事にどれだけのコストと時間がかかっているか」を、データとして示せる会社になることが重要だと考えています。 現在、LIFTIの活用を通じて蓄積されてきた取引データを足がかりに、輸送の実態をより正確に把握できる体制づくりを進めています。どのルートにどれだけの時間がかかるか、待機時間はどの程度発生しているか——そうした情報が積み上がっていくことで、働いた分が正しく評価される仕組みに近づいていけると考えています。 荷主様との関係においても、感覚や慣習ではなく実績に基づいた対話ができるようになることが目標です。それがドライバーの収入や働き方を守ることにもつながると信じています。
5.おわりに
2024年問題は、会社の課題を改めて見つめ直す機会になりました。小さな会社だからこそ、一人の変化が全体に響く。それは大変なことでもありますが、一つひとつの改善が現場に届きやすいということでもあります。 ドライバーが安心して働ける環境と、荷主様に信頼していただけるサービスの両立を目指して、引き続き取り組んでまいります。